ai-driven-development legacy-migration workflow
Evidence 3点運用 — 仕様の暗黙知を実装前に表に出す
「源泉」「意図」「対象」の 3 つを実装前に明示する運用。書くのは 30 秒ですが、これがあるかないかで方針ブレが激減しました。
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渡邊 賢 なぜ書いたか
スライスを実装するとき、AIに「いきなり書いて」と頼むと、参照したファイルが曖昧なまま実装が進みます。後で「これはどこから来た仕様?」と聞いても、AIも自分も思い出せません。今回は、着手前に 3つの根拠を明示する 運用を入れた話です。
Evidence 3点とは
- source of truth: 元実装(VBのソース、SQL、定義書)。実際の挙動が書かれている場所
- migration intent: 移行方針ドキュメント、mapping。何をどう移すかの意図 が書かれている場所
- target file: 移行先で触るファイル。どこに書くか を決める場所
着手前に、この3つをtask logの冒頭にフルパスで書きます。書かれていないとスライスを開始できない、というルールです。
ログの書き方
## task: 申請処理画面 S2 — Oracle 列追加スライス
### Evidence
1. source of truth:
/path/to/legacy/<対象画面>/<モジュール>.vb
2. migration intent:
/path/to/migration/docs/migration_mapping.md (S2 セクション)
3. target file:
/path/to/new/src/Api/Controllers/<対象コントローラ>.cs
/path/to/new/src/Web.Blazor/Components/Pages/<対象画面>.razor
なぜこれが効くか
- 方針ブレが減る: 着手前に「何を、どこから、どこへ」が固定される
- AIに渡せる: Evidenceをプロンプトに貼れば、AIが参照すべきファイルが明確になる
- レビューで追跡可能: Reviewerが「Evidenceと実装が乖離していないか」を見られる
- 再開コストが下がる: 翌日読み返しても、参照すべきファイルが書かれている
わかったこと
- 「実装してから根拠を後付け」はAIに必ず推測を混ぜさせる。先に固定 するだけで品質が上がります
- Evidence 3点は、実は人間にも効く。書くのに30秒、書かないと30分迷う、くらいの差
- AIレビュー時にも「Evidenceに書かれているファイルしか参照していないか」「Evidenceにないファイルを勝手に触っていないか」を観点に入れられる
補足
Evidence 3点は、私の場合はAGENTS.mdとOrchestratorのテンプレに組み込みました。各スライスの開始時に、Orchestratorが「Evidenceは揃っているか」を確認するルールにしてあります。
これで、AIがいきなり推測ベースで書き始める事故がほぼなくなりました。
次にやること / 未解決の問題
- Evidenceファイルの数が多くなる画面では、3つに絞れない。優先度の高い3つに絞る運用ルールをもう少し具体化したい
- AIにEvidenceを 自分で抽出させる ことができるか試してみたい。今は人間が指定している
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渡邊 賢
等差級数的Commit 運営 / ICD VIETNAM.LLC General Manager
AI駆動開発と段階的なレガシーモダン化をテーマに、日々の試行錯誤をこのブログに記録しています。
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